蔵元紹介 小林酒造 -小山市-

全国区の人気と実力を誇る銘柄『鳳凰美田(ほうおうびでん)』を造るのが、新世代栃木地酒の牽引役と評される小林酒造だ。
近年特に新聞、テレビ、雑誌などのマスコミに取り上げられ、さらに2013年には“天満天神梅酒大会リキュール部門”最終審査では、ソムリエをはじめとしたプロのブラインド審査で、同社の『鳳凰美田 完熟もも』が優勝を獲得したことも手伝い、『鳳凰美田』の人気に拍車がかかり品薄の状態となっている。

ここ小林酒造を紹介する記事がダイヤモンド社のビジネス情報サイト“ダイヤモンドオンライン”にあるので、抜粋して掲載する。http://diamond.jp/articles/-/8130

「鳳凰美田」を醸造する小林酒造は1872(明治5)年に創業。酒名は、蔵が日光連山の豊富な伏流水に恵まれた美田(みた)村という良質な米の産地にあったことから命名されたという。
酒造りの総指揮を掌るのは5代目・小林正樹専務。東京農大を卒業後、国税庁醸造試験場(北区滝野川にあったが、後に独立行政法人となり96年に東広島市に移転)で2年間の研修を経て90年に蔵へ戻る。

「いい酒を造ろうとすると必然的に吟醸造りになり、手間をかけて一生懸命に造っていると、信頼できる酒販店にも恵まれるようになった」(小林専務)
「鳳凰美田」は、ほどなくして多くの日本酒通を魅了していったのである。

最初に小林専務から酒造りの基本のレクチャーを受けると、次は2年前に新設された四重構造の麹室に案内してもらう。ここでは、日本酒通にはおなじみの「一麹、二酛(もと)、三造り」(“酒造りの基本”を重要な順に示唆している言葉)を具現化するべく、麹造りにはコンマ以下の温度・湿度管理を微塵もゆるがせにできないことが強調される。小林専務が現場を離れる際は麹担当とケータイで密に連絡を取り合い、的確な指示を瞬時に出さなれければならないのだ。

洗米・浸漬作業もいっさい妥協はしない。米に吸わせる水分は142%。誤差は±0.25%までだ。

酒造りにおいて米と並んで重要なのが水である。蔵で使用している水は中硬水と呼ばれ、カルシウムとマグネシウムを適度に含んでいるため発酵が比較的速い。そこで、化学的な処理をせずに生成した軟水を併用することで発酵を遅らせ、理想に近い吟醸酒造りを行っている。

酒の搾りは完全手作業で行う。醪(もろみ)を木綿の袋に包み、佐瀬式の槽で丁寧に搾っていく。「しずく絞り」とは圧をかけずに時間をかけて、ゆっくりゆっくり滴を落とすこと。搾った酒は劣化を防ぐために直ちに瓶詰めを行い、冷蔵庫に保管する。

いい麹がいい酛となり、それが徹底した温度管理によって成熟の瞬間を迎え、美味しい酒誕生へのカウントダウンが始まる。しかし、それを生かすも殺すも、飲み頃の見極め=出荷のタイミングをいかに計るかにかかってくる。
そのため、低温発酵に欠かすことのできない600kg~800kgのサーマルタンク(細かい温度調節が可能なタンク)を増設し、あるいはまた冷蔵庫・氷温庫を拡充させなければならない。今期は売上げが伸びなかったからといって設備投資を惜しむことは許されないのだ。

今後は「火入れ」商品に力を入れ、4月いっぱいで仕込みを終わらせ、貯蔵のための酒を造るという。
「酒米の流通履歴(トレーサビリティ)や排水処理の問題など、日本酒業界を取り巻く環境は厳しくなる一方。明るい展望は見えにくいけれど、栃木の酒は、あと5年もすればきっと全国トップレベルに入ります」
小林専務の口元が和らいだ。

背景画像